ドラマーにコアフォースをすすめたい——演奏で身体を痛める人が多いという調査から
機材は数ミリ単位で選ぶのに、その音を作っている身体は後回しになりがちです。
取り扱っている側から、選び方とスタジオでの試し方を書きました。
目次
バンドで最初に身体を痛めるのは、たぶんドラマーだと思う。
831人のドラムセット奏者を対象にした調査では、演奏が原因の筋骨格の不調を経験したことがある人が68%、調査した時点で症状があった人が23%だった[1]。
当社はコアフォースの公式マイスターをしている。売る側の人間が言うことなので割り引いて読んでほしいけれど、この数字を知ってから、ドラマーには一度着けて確かめてもらいたいと思うようになった。実際に叩いてもらった人の感想も、後ろのほうに書いた。
ドラマーの68%が、演奏で身体を痛めている
さっきの調査をもう少し細かく見る。
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| これまでに経験したことがある | 68% |
| 調査した時点で症状がある | 23% |
| 複数の箇所に不調がある | 59% |
| 部位別・上肢 | 59% |
| 部位別・手首 | 25% |
| 部位別・腰部 | 24% |
ひとつ痛めて終わり、ではなく、あちこちに広がっている人が半分以上いる。
この調査はSNS経由で回答者を集めた自己申告のアンケートで、痛みを自覚している人ほど答えやすい。数字はそのぶん高めに出ていると考えたほうがいい。それでも、ドラマーが身体を痛めやすい仕事だという方向は動かないと思う。
ライブ後半で肩が上がる。腕に力が入る。キックが走る。フィルの着地がずれる。翌日、腰と手首が痛い。
心当たりがあるなら、それは練習不足だけの話ではないかもしれない。
楽器によって、壊れる場所が違う
音楽家の身体の不調は、楽器ごとに出る場所が決まっている。ピアニストは右手、バイオリニストは左手、ドラマーは上肢と下肢[6]。
同じ動きを、同じ姿勢で、何万回も繰り返すから。当たり前といえば当たり前だけれど、これは裏を返すと、負担のかかり方が動作の設計で決まっているということでもある。
ドラムは座って演奏する全身運動で、両手両足を別々に動かしながらテンポと音量を管理し続ける。身体の中心が安定していれば、肩から先と脚は軽く動かせる。中心が崩れると、フォームを保つために腕と腰が余計な仕事を引き受ける。
疲れるとフォームが崩れ、崩れるともっと疲れる。この往復が続いた先に、さっきの68%がある。
鍛えるのと、整えるのは別の話
ここで一度、言葉を分けておきたい。
メーカーは体幹バランスを「体を支える筋肉が必要なタイミングで適切に働き、体の軸を安定して保てる状態」と定義していて、筋力が強いこととは別だと書いている。そのうえで、インナーマッスルの筋力を高めるのが鍛えること、動かしやすい状態へ導くのが整えること、と目的を分けている[8]。
ドラムに要るのは、たぶん後者のほうが多い。
腕を太くしても速く叩けるようにはならない。必要な瞬間だけ力が入って、打ったあとは抜ける。その切り替えが速いほど、粒が揃ってグルーヴが出る。固めた身体は、切り替えが遅い。
筋トレを否定したいわけではない。ただ、順番の話として、整えるほうが先に来ることが多いと思う。48歳で現役を続けているプロテニス選手も、股関節から肩甲骨まわりまで整えてからトレーニングに入る、と話している[9]。
機材には投資するのに、身体には投資しない
ドラマーはスティックの太さを数ミリ単位で選ぶ。ヘッドを張り替え、ペダルのスプリングを調整し、シンバルを試打してから買う。
でも、その音を最初に作っている自分の身体に、同じだけの手間をかけている人は少ない。
ここが本質だと思う。機材は買えば手に入るけれど、身体は買い替えがきかない。それなのに、投資の順番はいつも機材が先になる。
理由はたぶん、身体の状態が数字で見えないから。スティックは長さと重さで比べられる。自分の軸は比べられない。比べられないものは後回しになる。
愛用者リストに、ミュージシャンがいない
コアフォースの公式サイトには愛用者のインタビューが並んでいる。ゴルフ、ラグビー、野球、ビーチバレー、テニス、それに俳優。2026年8月の時点で、ミュージシャンは1人も載っていない[7]。メーカーが出しているウェブマガジンにも、音楽の話は1本もない。
これが、この記事を書いている理由でもある。
身体の使い方でいえば、ドラマーとアスリートの距離はそれほど遠くない。それでも、コンディショニング用品の話が音楽の側に来るまでには時間がかかる。楽器店には並ばないし、スポーツ用品店にドラマーは行かない。
だから、扱っている側から声をかけたい。
コアフォースで何ができて、何ができないか
コアフォースは、ミネラルを主体とした独自原料「コアフォースパウダー」を使ったコンディショニングアクセサリー[2]。メーカーは、体幹バランスに着目してスポーツや日常生活をサポートする製品として出している[3]。
先に、できないことを書いておく。
着ければ演奏がうまくなるわけではない。ケガを防げるわけでもない。医療機器ではないので、痛みや症状を治すものでもない。ドラマーの障害を予防する医学的な裏づけがあるという話でもない。感じ方には個人差がある。
そのうえで、すすめたい理由はひとつ。さっき書いた「比べられないから後回しになる」を、比べられる形にできるから。
着けた状態と外した状態で、同じフレーズを叩けばいい。差を感じるかどうかは自分で決められる。判断材料が自分の手元にあるという意味で、これは他の健康グッズよりだいぶ扱いやすいと思う。
ドラマーに向くのはネックプロだと思う
コアフォースには大きく2種類ある。首・手首・足首の3通りに使えるループと、ネックレス型のネックプロ。
ドラマーにすすめたいのはネックプロのほう。理由が3つある。
1. 手首に何も増えない
ループをブレスレットとして巻くと、スティックのリバウンドを受け取る手首にわずかでも重さと厚みが乗る。首だけで完結するほうが演奏の邪魔になりにくい。
2. 原料の配合量が多い
メーカーの説明では、ネックプロのほうが特殊原料の配合量が多く、働きも強いとされている[2]。
3. 磁石を使っていない
ネックプロは磁石を使っていない[2]。ループには磁石が入っていて、ペースメーカーなど磁気の影響を受ける医療機器を使っている人は着けられない。機械式時計も磁気に反応する恐れがある。ネックプロならその心配がない。
ループを選ぶ場合は、長いほうが原料の量が多く働きも強いとされているので、70cmをネックレスとして使う形になる[2][3]。なお、身体から3cm以内なら服の上からでも働きが期待できるとされている[2]ので、衣装の下に無理に入れなくてもいい。
自分で試して、人にも試してもらった
ここからは実際の話。
まず断っておくと、僕はドラムを叩かない。だからドラムについては、人に着けてもらって聞くしかなかった。
コアフォースを外して1日パソコンに向かっていると、夕方には腰と足がだいぶしんどくなってくる。ネックプロを着けた日は、1日しっかり働ける。座り方が変わったのか、疲れ方が変わったのかは自分でもわからない。ただ、夕方の感じは違う。
いつもよりちょっと弾きやすくなる感覚がある。
叩きやすくなった感じがある。
※あくまで個人の感想です。感じ方には個人差があり、製品の効果・効能を示すものではありません。
正直に言えば、どれも「感じがある」の範囲を出ない。数値も測っていないし、比較試験でもない。それでも、着ける前と後で本人が違いを口にしたという事実は残る。
この記事で書けるのはそこまで。あとは、読んだ人が自分の身体で確かめるしかない。
スタジオでの比べ方
試すなら、いつものセットで、いつものフレーズで比べたほうがいい。
外した状態で、8ビート、シングルストローク、キックの連打、力みやすいフィルを叩く。次に着けて、同じテンポ、同じ音量、同じフレーズを叩く。
見るのは速さではなく、肩の力が抜けているか、フィルから1拍目に戻れているか、キックを踏んだあと次の一打に自然につながるか。スマホで正面から撮っておくと、上体の揺れと腕の軌道を後で比べられる。
差を感じなければ、それも結果。感じ方に個人差があるというのは、そういうことだと思う。
小さな違和感を、練習不足にしない
さっきのテニス選手は、肘の大けがで1年半試合から離れている。手術ではなく保存療法を選んで戻ってきて、そこから学んだのは、小さな違和感を見逃さずに早めに手を打つことだったという[9]。
ドラマーにも同じ話があると思う。違うのは、ドラムには「叩けば直る」という文化がわずかに残っているところ。走るのは練習不足、粒が揃わないのは練習不足。たしかに大半はそうかもしれない。でも全部ではない。
次の節は、その「全部ではない」の話。
ジストニアのこと
これはコアフォースの話とは切り離して書く。
音楽家には、局所性ジストニアという運動障害がある。特定の演奏動作をしようとしたときだけ、指や手足が意図しない動きをしたり、それまでできていた動作を制御できなくなったりする。プロの音楽家の約1%に起こるとされ、多くの場合はキャリアそのものを終わらせる[4]。
ドラマーの症例報告もある。12人のドラマーを集めた報告では、12例中10例で指、8例で手首に症状が出ていて、多くがドラム以外の動作にも広がっていった[5]。下肢に出た症例もある[6]。
コアフォースにジストニアを防ぐ効果は確認されていない。着けていれば安心という話ではまったくない。
それでも書くのは、ここに書いた症状が「練習不足」や「気のせい」で片づけられやすいから。いつもと違う力み。特定のフレーズだけ動かない。スティックが落ちる。思ったタイミングで打てない。
そういうときに練習量を増やすのは、いちばんまずい選択かもしれない。休む。負荷を見直す。早めに神経内科で診てもらう。それが普通のことになってほしいと思っている。
毎日着けるものがあると、身体の状態に目が向く。コアフォースにできるのは、たぶんそこまで。でも、そこまではできると思う。
着ける前に知っておきたいこと
医療機器ではありません。特定の疾病の治療・予防・治癒を目的とした商品ではなく、感じ方には個人差があります。
痛みやしびれがある場合は、アクセサリーで様子を見ずに医療機関へご相談ください。
コアフォースループには磁石が使われています。ペースメーカーや圧可変式バルブシャントなど、磁気の影響を受ける可能性がある医用電気機器をお使いの方は装着できません。ネックプロシリーズは磁石を使っていないため着用できます[2]。
お風呂での着用は問題ありませんが、プールや温泉は成分の劣化につながる場合があるため避けてください[2]。
まとめ
ドラマーの68%が演奏で身体を痛めていて、その多くが複数箇所にわたっている[1]。それでも、機材ほどには身体に手をかけない習慣が続いている。
コアフォースは、その習慣を変えるきっかけとしてすすめたい。着けた状態と外した状態を自分で比べられるので、判断は読んだ人の側に残る。
当社は高砂・加古川・姫路エリアで試着に対応しています。ネックプロとループを両方置いているので、留め具のあるネックレスと3WAYのループ、着け心地の違いをその場で比べていただけます。ドラマーの方は、できればスティックを持ってきてください。
試着とご相談を承っています
ネックプロとループの全モデルの定価を掲載しています。高砂・加古川・姫路エリアで試着に対応。ご相談は無料です。
参考
- Azar NR. Rates and Patterns of Playing-Related Musculoskeletal Disorders in Drummers. Med Probl Perform Art. 2020. PubMed
- コアフォース公式 よくあるご質問。coreforce.jp/faq/
- コアフォース公式 コアフォースについて。coreforce.jp/about/
- Altenmüller E, Jabusch HC. Focal dystonia in musicians. Med Probl Perform Art. 2010. PubMed
- Bledsoe IO, et al. Twelve Drummers Drumming... With Dystonia. Tremor Other Hyperkinet Mov. 2021. PubMed
- Honda K, et al. Frontiers in Neurology. 2024. ドラマーの下肢ジストニア症例。PMC
- コアフォース公式 アスリートインタビュー。coreforce.jp/voice/(2026年8月時点の掲載を確認)
- コアフォース通信「体幹バランスとは?鍛えると整えるの違い」。coreforce.jp
- コアフォース通信「48歳、現役。プロテニスプレイヤー 松井俊英が実践する、長く動ける身体のつくり方」。coreforce.jp