AIO 2026.07.16

GoogleのAIモード対策とは——サイトを53点から93点にしても、AIはまだ当社を見つけられない

執筆:神吉 修平(ALDONIX 代表/Webディレクション歴100件以上・兵庫県高砂市)

AIモード対策は、2階建てで考えるとわかりやすい。1階が「AIに読める状態にすること」、2階が「AIが裏取りできる状態にすること」。
当社は1階を先にやった。外部の診断ツールで53点だったサイトを、93点まで上げた。
それでもChatGPTに社名を聞いたら、「見つかりません」と返ってきた。この記事は、その理由の話。

目次

  1. AIモードとは何か(2025年9月から日本語対応)
  2. 自社サイトを53点から93点にした
  3. それでもAIは当社を見つけられなかった
  4. なぜ点数が上がっても見つからないのか
  5. Googleが言っていることと、業界が言っていること
  6. 今日できる3つの確認
  7. よくある質問

AIモードとは何か(2025年9月から日本語対応)

GoogleのAIモードは、検索結果ページの「AIモード」タブから使える、対話型の検索。日本語に対応したのは2025年9月9日で、Google公式ブログに書いてある。追加で質問を重ねられるのが、通常の検索結果との一番の違い。

仕組みについてもGoogleは公式に説明していて、クエリのファンアウト(query fan-out)と呼ばれている。ひとつの質問を裏でいくつものサブクエリに分解して、同時に検索を走らせて、集まった結果を統合して答えを作る。「芝生の雑草をなんとかしたい」と聞くと、裏で「芝生用の除草剤」「薬剤を使わない除草」といった検索が同時に回っている、という具合。

ここで押さえておきたいのが、AIモードもGoogle検索の索引を土台にしていること。Googleの開発者向けドキュメントには、ページがインデックスされていて、スニペットとして表示できる状態になっていること、と書かれている。裏で回っているのは、あくまで検索。だから検索に載っていないものは、AIモードにも出てこない。出発点はここ。

自社サイトを53点から93点にした

2026年7月10日、外部のAI対応診断ツールに自社サイト(aldonix.jp)をかけてみた。結果は53点。判定は「要改善」

項目対策前(7/10)対策後
総合スコア 53 / 100 93 / 100
robots.txt 100 / 100 100 / 100
構造化データ 56 / 100 77 / 100
Content-Signal 未設定 設定済み

※ 外部の無料診断ツールでの自社サイトの実測値。ツールごとに採点基準は違うので、点数そのものより「どこが埋まっていないか」を見るための道具として使っています。

やったことを具体的に書いておく。robots.txtにContent-Signal(検索・AI学習それぞれの利用可否の意思表示)を追加。AIのクローラーを明示的に許可。構造化データに、それまで抜けていた@id・keywords・位置情報・画像・ロゴを追加して、WebSiteとOrganizationのノードも足した。llms.txtも置いた。

作業としては、実質1日ぶん。数日後に測り直したら93点になっていた。ここまでは、正直そんなに難しくない。手順が決まっている作業だから、やれば上がる。ここで僕は、ひと仕事終えた気になっていた。

それでもAIは当社を見つけられなかった

先日、ChatGPTに聞いてみた。「ALDONIXという高砂のWeb制作会社について」。

CHATGPTの回答(実際の返答)
  1. 「公開情報からは詳細な実績を確認できませんでした」
  2. 「AI検索対策をサービスとして打ち出している:確認できず」
  3. 会社名で検索させても「高砂市のWeb制作・AI検索対策会社を示す公開情報は見つかりませんでした」

93点のサイトを持っている会社が、AIの中では存在しないことになっていた。しかも「Webサイトを公開していない、またはSEOが弱く検索に出にくい」という理由まで丁寧に推測されて返ってきた。

笑い話にできればよかった。でもAI検索対策を売っている側が言われている。これは笑えない。ただ、これ以上わかりやすい教材もないと思った。

ChatGPTだけの話でもなかった。同じ日にGoogleでも確かめた。プライベートモードで「高砂 ホームページ制作」。当社の商圏そのものの検索語。

2026.07.16 の検索結果(Chrome / Safari 両方で確認)
  1. 検索結果の最上部にAIによる概要が表示され、地元の制作会社を名指しで推薦(シールズ・TOBANJAN・アトリエクレフ・CreateViewほか)
  2. 片方のブラウザでは費用相場(初期10万〜50万円・月額0円〜数万円)まで提示
  3. 当社は、AIの概要にも検索1ページ目にも不在

AIの概要が引用していたのは、各社の公式サイトだけじゃない。「高砂市の制作会社一覧」のようなまとめ記事やポータルが根拠に使われていた。AIは、第三者の場所に載っている情報で裏を取る。ここは後の話につながるので覚えておいてほしい。

もうひとつ。ChromeとSafariで、推薦される顔ぶれと内容が少し違った。同じ日の同じ検索語でも、AIの答えは毎回同じじゃない。順位を1位から10位まで数えていた時代とは、観測の仕方から変わってくる。

現在地はこう。ChatGPTには存在を知られていない。地元のGoogle検索では、AIが競合を名指しで推薦していて、当社はその名簿に入っていない。93点のサイトを持つ会社の、2026年7月16日時点の記録。

なぜ点数が上がっても見つからないのか

AIが会社を知る経路は、大きく2つある。

ひとつは学習データの記憶。モデルが訓練された時点で世の中にあった情報。新しくて小さいサイトは、ここにまず入っていない。aldonix.jpもそう。これは対策のしようがないし、焦っても仕方ない。

もうひとつがその場の検索。ChatGPTの検索も、GoogleのAIモードも、検索の索引を土台にして答えを作る。ここが本題で、索引に十分載っていなければ、サイトをどれだけ磨いても出てこない。自社サイトは公開して日が浅い。索引にまだ足場がなかった。

そしてもうひとつ、たぶんこっちのほうが大きい。AIは、ひとつのサイトが自分について書いていることを、そのままでは信用しない。複数の独立した場所で同じ情報が確認できて、初めて実在するものとして扱う。人が裏を取るのと同じ。ALDONIXの情報は、自社サイトの中にしかなかった。自分で自分を名乗っているだけの状態。

点数は「読める状態」の点数で、「信じてもらえる状態」の点数じゃない。ここを混同すると、サイトばかり直して、いつまでも出ない。僕が身をもって証明してしまった。

ひとつ、留保も残しておきたい。93点にしたのは、この検証のわずか数日前。検索やAIへの反映には時間がかかる可能性があって、整えた効果がこれから出てくることも十分ある。だから「点数を上げても無駄」という話ではない。読める状態は前提で、その上に裏取りが要る。順番の話。変化が出たかどうかは、この連載でそのまま公開していく。

Googleが言っていることと、業界が言っていること

この分野は推測が多い。だから、公式に書かれていることと、業界の仮説を分けて置いておきたい。

まずGoogleの公式ドキュメントには、AI検索のために特別なことをする必要はない、とはっきり書いてある。llms.txtはGoogle検索では使っていない。構造化データも生成AI検索の必須要件ではない。AI用にコンテンツを書き直す必要もない。専用のスキーマも要らない。当社もllms.txtを置いているし、置くこと自体はおすすめする側。ただ、少なくともGoogle検索に関しては、あれを置いたから出るようになるものではない。Google以外のAIに向けた案内としての意味は、また別の話。

一方で、Googleビジネスプロフィールについては、AI応答での可視性に寄与しうる、と公式に書かれている。ここは店舗にとって大事なところ。

そして、よく言われる「複数の媒体で情報を一致させるとAIに引用されやすくなる」という話。これはSEO業界の仮説で、Googleが言っていることじゃない。当社もこの仮説に賭けている側だけど、公式が保証しているわけじゃない、とは正直に書いておきたい。断定している記事を見かけたら、少し引いて読んだほうがいい。

海外の調査でひとつおもしろいものがある。Local SEO Dataが2026年5月に1,120件のクエリで調べたところ、Googleマップのローカルパックに出ている店の28.5%が、AIモードには出てこなかった。逆にAIモードにだけ出る店もあった。つまりマップで出る店とAIモードで出る店は、同じじゃない。別のシステムが動いている、と考えたほうがよさそう。「マップで出てるから大丈夫」は、たぶん通用しない。

※ 米国での調査です。日本語のローカル検索で同じ傾向になるかは、まだ誰も検証していません。当社の自社実験で、これから確かめていきます。

今日できる3つの確認

全部無料で、今日できる。こちらが痛い目を見た順番でもある。

3 CHECKS
  1. ChatGPTに自分の店の名前を聞く——「〇〇(店名・地域名)について教えて」。ここで正しく返ってこなければ、それが今の現在地
  2. AIモードで「地域名+業種」を検索する——自分の店が出るか。出ないなら、出ている店との差はどこか
  3. 店名・住所・電話の表記が媒体間で揃っているか確認する——Googleビジネスプロフィール、地図、グルメサイト、各種ポータル

3つ目が地味だけど効いてくる。丁目の書き方、ビル名の有無、旧社名や旧電話番号。こういう表記の揺れが散らばっていると、AIは同じ店だと判断しにくい。人間なら「同じ店だな」とわかるものが、機械には別々の店に見える。

そして、結果をスクショで残しておいてほしい。基準値がないと、あとから何をやっても効いたかどうか判断できなくなる。53点も、記録が残っていたから93点との差を語れる。

よくある質問

AIモード対策は、今すぐやるべきですか?

先にやっておくことをおすすめします。日本での利用率を正確に示す公式データはまだ見つけられていませんが、GoogleはAIによる概要とAIモードの統合を進めていて、実際に「高砂 ホームページ制作」の検索では、AIが会社を名指しで推薦する画面がすでに出ています。やることは従来のSEOやMEOの基本と重なるので、早く始めて損はありません。AIの推薦に載るまでには時間がかかるからこそ、先に動く価値があります。

llms.txtは置いたほうがいいですか?

置くことをおすすめしますし、当社も設置しています。ただし効果の範囲は正直にお伝えします。Googleは公式に「Google検索では使っていない」と明記しているので、Google検索やAIモードへの直接の効果は期待できません。ChatGPTをはじめ、Google以外のAIに向けたサイト案内として意味があると考えています。数分で設置できるので、やらない理由もないです。

サイトの点数を上げれば、AIに出ますか?

すぐに出るとは限りません。点数はAIが読める状態かどうかの指標で、AIがその会社を信頼するかどうかとは別の話です。当社は93点に上げた数日後の時点では、まだ見つけてもらえませんでした。反映に時間がかかる可能性もあるので、この後どう変わるかは実験ログとして毎月公開していきます。

Googleマップに出ていれば、AIモードにも出ますか?

同じとは限りません。海外の調査では、ローカルパックに出る店舗の28.5%がAIモードに出現しなかったと報告されています。別の仕組みで動いているとみたほうが安全です。

NEXT — 公開実験ログ
  1. 当社のGoogleビジネスプロフィールを整える(現在の数値を記録してから開始)
  2. 自社に「きゃくくる」を適用して、100以上の媒体へ情報を配信する
  3. ChatGPTとAIモードが当社を見つけるようになるまでを、毎月そのまま公開する

うまくいかなかったら、うまくいかなかったと書く。AI検索対策を売る会社が「見つかりません」と言われたところから始める記録なので、そこは正直にやります。

KYAKUKURU

自分の店がAIにどう見えているか、一緒に確認しませんか

この記事の3つの確認は、ご自身でも今日できます。やってみて気になる結果が出たら、そこからご相談ください。サイトのAI対応状況の診断は無料です。料金は店舗数や現状によって変わるので、お見積りをお出しします。

神吉 修平

神吉 修平SHUHEI KANKI

ALDONIX代表。兵庫県高砂市を拠点に、Webディレクターとして100件以上のサイト制作を指揮。現在は高砂・加古川・姫路エリアで、MEO×AI検索の集客サービス「きゃくくる」を運営。

← コラム一覧へ